宇宙と光のこと ~天文学を読み解くヒント集~

遠方で長くなる光の波長

宇宙の遠くを見ることは、光が届くまでにかかった時間だけ、過去を見ることです。その間に、宇宙空間は膨張していますから、遠くの銀河から出た光は、私たちに届く間に引き伸ばされて、波長が長くなります。これを「宇宙論的な赤方偏移」と言います。
たとえば、128億年前の宇宙で生まれたばかりの銀河は、水素のガス雲の中からたくさんの若い星を生み出して、特徴的な紫外線(「ライマンα」と呼ばれる水素輝線)で輝いています。この紫外線は、宇宙膨張によって波長を引き伸ばされ、私たちに届くころには赤外線にまで達しています。このことを利用すると、赤方偏移を受けた銀河だけを探し出すことで、遠方宇宙、初期宇宙の姿を探り出すことができるのです。すばる望遠鏡は、広い視野と高い感度を活かして高赤方偏移の銀河を数多く検出し、宇宙初期の銀河の進化に迫っています。

分光宇宙アルバム


2015.10.13