磁場の強さを示すスペクトルの分裂
天体からの光を分析すると、その場所がどのような状態なのかがわかります。たとえば、どれだけその場所の磁場が強いのか。宇宙では、多くの天体が磁場を持っています。太陽もその一つ。太陽表面に現れる黒点などの構造や、太陽大気で発生する活動現象は、磁場によって引き起こされていることがわかっています。
太陽に強力な磁場があることは、どのようにしてわかったのでしょうか。原子は、特定の波長の光を放出します。元々1本のスペクトル線が、磁場の中では複数のスペクトル線に分裂します。この「ゼーマン効果」の大きさで、磁場の強さを測定することができます。さらに、磁場があると「偏光」が起きます。電場と磁場の振動が波として伝わる光の振動方向が、磁場の方向に応じて変わるのです。
