宇宙と光のこと ~天文学を読み解くヒント集~

X線を発する超新星のレアメタル

宇宙は、いったいどのような元素で成り立っているのでしょうか。それを調べることにも、光の分析が欠かせません。宇宙が誕生した当初には、水素とヘリウム、そしてわずかなリチウムだけが宇宙に存在する元素でした。その後、恒星の中心で起きる核融合によって、より重い元素が次々と作られるようになります。質量の大きな恒星は一生の最後に超新星爆発を起こし、内部で生成した重元素を宇宙空間に撒き散らします。秒速数千キロメートルの速度で広がる高温の超新星残骸に含まれる元素は、種類に応じた波長のX線を放射するため、含まれる元素の種類や量を調べることができます。希少資源としても知られる「レアメタル」のクロムやマンガンも、超新星残骸から見つかっています。

分光宇宙アルバム


2015.09.07