3Dプリンターを使った立体模型作り
すばる望遠鏡:模型の造形方法

模型は、望遠鏡可動部(図1 or 図3)と望遠鏡ベース部(図2 or 図4)からなり、それぞれのパーツを造形して組み立てた後に、ネジ(M4のボルトとナット)を使って可動部とベース部を接合します。
各パーツは、サポート材なしで造形できるように設計されています。サポート材なしで造形して下さい。また、造形用のソフトに読み込んだそのままのサイズで造形できるようにしてあります。もしあまりにも小さいもしくは大きい場合は、造形用のソフトで10倍や0.1倍など、スケールを変えてみて下さい。

精密バージョン

望遠鏡可動部
図1:望遠鏡可動部

左の図にあるように、"teleMove_A" から "teleMove_G" の7種類を造形します。"teleMove_F""teleMove_G" は2つずつ造形します。
左の図では、望遠鏡の筒の一番上にある「トップリング」("teleMove_B")中央部に副鏡("teleMove_E")がとりつけられていますが、本物のすばる望遠鏡同様、このパーツを超広視野カメラ、ハイパー・シュプリーム・カム HSC("teleMove_E_HSC")に交換することが可能です。
望遠鏡ベース部
図2:望遠鏡ベース部

左の図にあるように、"teleBase_A" から "teleBase_E" の5種類を造形します。"teleBase_C""teleBase_D""teleBase_E" は、それぞれ左用("l")と右用("r")の2種類を造形します。

シンプルバージョン

望遠鏡可動部
図3:望遠鏡可動部

左の図にあるように、"teleMove_A" から "teleMove_F" の6種類を造形します。"teleMove_F" は2つ造形します。
左の図では、望遠鏡の筒の一番上にある「トップリング」中央部に副鏡("teleMove_E")がとりつけられていますが、本物のすばる望遠鏡同様、このパーツをハイパー・シュプリーム・カム("teleMove_E_HSC")に交換することが可能です。
望遠鏡ベース部
図4:望遠鏡ベース部

左の図にあるように、"teleBase_A" から "teleBase_C" の3種類のパーツを造形します。"teleBase_C" は2つ造形します。

主鏡

直径20cmの塩ビ(塩化ビニル)透明半球の中から、半径3.7cm(直径7.4cm)の円をコンパスカッターで切り抜きます。(真ん中の穴は、コンパスカッターで実現できる最小の半径で切り抜きます。)主鏡切り抜き型紙をダウンロードの上、A4用紙に印刷して使うと、切り抜きやすくなるかもしれません。(主鏡切り抜き型紙レター用紙版もあります。)

直径20cmの塩ビ半球に、主鏡切り抜き型紙を貼り付けた様子 コンパスカッターで切り抜いた「主鏡」
図5:直径20cmの塩ビ透明半球に、主鏡切り抜き型紙を貼り付けた様子(左)と、コンパスカッターで切り抜いた「主鏡」(右)

切り抜いた「主鏡」を、模型を組み立てる前にABS樹脂対応のボンドで "teleMove_C" パーツに貼り付けます。直径20cmの半球から直径7.4cmの円を切り出した際、"teleMove_C" パーツの「鏡面」にぴったりあうように設計されています。

可動部とベース部の接合

望遠鏡可動部とベース部それぞれを図1と図2(or 図3と図4)のような形に組み立てた後に、M4のネジ(ボルトとナット)2セットを使って、可動部とベースを接合します。写真の模型では、ステンレス製のM4鍋頭小ネジを使用しています。可動部とベース部間の接合部分に、0.8mm幅のワッシャーを入れると、可動部が動きやすくなるかもしれません。
M4 小ネジ: 4mm(太さ)× 20mm(長さ) ピッチ 0.7mm

精密模型を横から見た写真 シンプル模型を横から見た写真 模型を主鏡側から見た写真
図6:精密バージョン(左)とシンプルバージョン(中)模型を横からみた図。ネジの頭が見えている。(右)主鏡側から見た図。ナットが見えている。

まず、ナットを可動部の内側にある六角形の穴にはめこみます(図6右)。ベース部の間に可動部を入れ、ボルトを挿入できる状態にします。必要に応じて可動部とベース部の接合部分にワッシャーを入れます。その後ボルトを "teleBase_C" パーツの外側から挿入し、穴を貫通させ、ナットと締結させます。反対側も同様に締結させます。強く締結しすぎると、可動部が動きにくくなります。可動部が適度に動き、かつ、手をはなしても傾かないくらいの強さが適切です。


模型制作

  • STLファイル作成:中山弘敬(国立天文台4D2Uプロジェクト)
  • 監修:すばる望遠鏡模型制作プロジェクト


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