3Dプリンターを使った模型作り
すばる望遠鏡
はじめに
すばる望遠鏡は、富士山よりも高い標高4205メートルのハワイ島・マウナケア山頂に建設された、日本の(国立天文台の)望遠鏡です。直径8.2メートルという、世界最大級の一枚鏡を持っています。1999年から観測を始め、すばる望遠鏡の持つ広い視野と優れた性能を活かして、最も遠い銀河の発見や、太陽以外の星の周りをまわる惑星の撮影など、数々の研究成果をあげています。
図1:すばる望遠鏡模型精密バージョン(左)とシンプルバージョン(右)
模型のサイズは、幅約27cm、奥行き約17cm、高さ約25cmで、主鏡の直径は7.4cmです。すばる望遠鏡の主鏡の有効口径(直径)が8.2mですから、この模型は約110分の1の縮尺ということになります。
触って理解できる模型の製作にあたり、視覚特別支援学校の先生からご助言をいただきました。その結果、精密バージョン(左)とシンプルバージョン(右)の、二種類の模型を製作しました。精密バージョンは晴眼者や模型や標本の触察に慣れている視覚障害者向け、シンプルバージョンは視覚特別支援学校の理科の授業で模型や標本の触り方を学習中の生徒さん向けです。二種類の模型のサイズは同じです。
図1の写真にある模型は、ABS樹脂を使って造形しています。全てのパーツが無理なく造形でき、かつ、主鏡を指で触ることができるサイズに設計しています。(主鏡とは、宇宙からの光を最初に反射する最大の鏡のこと。)
主鏡の部分には、塩ビ(塩化ビニル)透明半球から切り出したものをかぶせ、他の部分とは異なる質感にしています(主鏡の位置が触った時にわかりやすくなっています)。
目次
*「障害者」の表記について
いろいろな立場の方々がそれぞれの考えに従い「障がい者」などの表記方法を使用している例を最近よく見受けます。その一方で、「障害」の表現を変えることは、障害に対する認識の本質を変えることにはならず、かえって障害におけるさまざまな課題を遮蔽することにつながるという、障害者や障害者福祉の専門家らの意見もあります。本サイトでは、これらの状況を踏まえ、「障害者」と表記することとします。
すばる望遠鏡模型制作プロジェクトメンバー
臼田-佐藤 功美子(国立天文台天文情報センター)・中山弘敬(国立天文台4D2Uプロジェクト)・藤原英明(国立天文台ハワイ観測所)・臼田知史(国立天文台TMT推進室)
3D模型ホームぺージ > すばる望遠鏡