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ブックマークに登録されたオススメ天体

天の川銀河(銀河系)内の天体

私たちが住む天の川銀河(銀河系)の中にある天体です。天の川銀河の大きさ(星の円盤の直径が約10万光年)に比べると、太陽系のごく近くにあると言えるでしょう。

プレアデス星団(すばる) プレアデス星団(M45、和名「すばる」)
星座 おうし座  距離 410光年
赤経 03 h 47 m 00 s 赤緯 +24° 07′ 05″(2000年分点)

およそ6000万年前に誕生した、比較的若い青白い星(恒星)の集団。すばる望遠鏡は、プレアデス星団にちなんで名付けられました。
すばる望遠鏡の名前の由来について
オリオン大星雲 M42 オリオン星雲(M42)
星座 オリオン座  距離 1500光年
赤経 05 h 35 m 17 s 赤緯 -05° 23′ 28″(2000年分点)

星(恒星)が生まれている現場。中心にトラペジウムとよばれる4つの明るい星があり、赤外線写真ではっきり見えます。大質量の星が生まれた領域に特徴的な赤(ピンク)色が見られますが、これは水素(Hα線)が光っているためです。
すばる望遠鏡がとらえたオリオン大星雲の赤外線写真

天の川銀河(銀河系)の外の個別銀河

天の川銀河の外にある、比較的近くにある個別の銀河です。アンドロメダ銀河 (M31) とM101は、天の川銀河と同じような、円盤の形をした渦巻の腕(渦状腕)を持つ「渦巻銀河」です。

アンドロメダ銀河 M31 アンドロメダ銀河(M31)
星座 アンドロメダ座  距離 230万光年
赤経 00 h 42 m 44 s 赤緯 +41° 16′ 9″(2000年分点)

天の川銀河と同程度の大きめの銀河としては最も近くにあります。超広視野カメラHSCは、アンドロメダ銀河のほぼ全体を1視野でとらえました。大質量の星が生まれた領域は赤(ピンク)色に光りますが(オリオン星雲参照)、渦状腕に沿って並んでいる様子が見られます。
HSCの視野について
矮小銀河 KKR25 矮小銀河 KKR25
星座 りゅう座  距離 630万光年
赤経 16 h 13 m 48 s 赤緯 +54° 22′ 16″(2000年分点)

大小マゼラン雲のような非常に小さな銀河のことを矮小銀河といいます。この画像中の最も明るい恒星の背景で、左上に向かってぼんやりと広がっているのが矮小銀河です。天の川銀河内にある明るい恒星上に見えるスパイクは、人工的なものです。

渦巻銀河 M101 渦巻銀河 M101
星座 おおぐま座  距離 1900万光年
赤経 14 h 03 m 13 s 赤緯 +54° 20′ 56″(2000年分点)

「回転花火銀河」というニックネームがついています。渦巻銀河を上から見た姿で、渦状腕はっきりと見えます。腕の途中に見られる、いくつかの明るい節は、恒星の大集団です。2011年には、超新星「SN 2011 fe」が出現し、国立天文台・石垣島天文台のむりかぶし望遠鏡などで観測されました。

強い重力レンズ天体

アインシュタインが発表した一般相対性理論では、重力を時空の歪みととらえます。質量を持つ天体(重力源)があると、その重力の影響で時空が歪みます。 恒星や銀河などの天体(光源)と地球の間に別の重力源があると、背景の天体から発せられた光が進む経路が曲げられ、その結果として複数の経路を通る光が集まり明るく見えることがあります。重力源がレンズのような役割を果たしているように観測されるため、このような現象を重力レンズ効果といいます。光源と手前の重力源との位置関係によっては、ひとつの光源からの複数の像が見えたり、アーク(弓)状に変形した像が見えたり、リング状の像が見えたりします。このように重力源の影響が強く、複数の像や弓状の像、リングなど、光が曲げられる現象が明らかに観測されるものを「強い重力レンズ」効果といいます。以下の天体では、強い重力レンズ効果が見えています。
国立天文台アルマ望遠鏡のサイトにある(強い)重力レンズの模式図

ホルスの目 ホルスの目
星座 おとめ座  距離 90億光年、105億光年
赤経 14 h 24 m 49 s 赤緯 -00° 53′ 22″(2000年分点)
観測領域 GAMA15H

2つの遠方銀河が手前にある別の銀河によって同時に重力レンズ効果を受けている、極めて珍しい天体です。古代エジプトの神聖なる神の目にちなんで「ホルスの目」と名付けられました。
「ホルスの目」観測成果の詳細情報
強い重力レンズ1 重力レンズ1 SDSS J115214.19+003126.5
星座 おとめ座  
赤経 11 h 52 m 14.19 s  赤緯 +00° 31′ 26.5″(2000年分点)
観測領域 WIDE12H

重力レンズ効果に特徴的な、アーク(弓)状の構造が複数見えています。

強い重力レンズ2 重力レンズ2 NVSS J142016+005718
星座 おとめ座  
赤経 14 h 20 m 16.6 s  赤緯 +00° 57′ 19″(2000年分点)
観測領域 GAMA15H

重力レンズ効果に特徴的な、アーク(弓)状の構造が複数見えています。

強い重力レンズ3 重力レンズ3 2SLAQ J144132.67-005358.3
星座 おとめ座  
赤経 14 h 41 m 32.67 s  赤緯 -00° 53′ 58.3″(2000年分点)
観測領域 GAMA15H

重力レンズ効果に特徴的な、アーク(弓)状の構造が複数見えています。

強い重力レンズ4 重力レンズ4 PMN J2329-0121
星座 うお座  
赤経 23 h 29 m 47.9 s  赤緯 -01° 20′ 49″(2000年分点)
観測領域 DEEP2-3

重力レンズ効果に特徴的な、アーク(弓)状の構造が複数見えています。

衝突する銀河

銀河はずっと同じ姿で存在しているわけではありません。数十億年という時間の間には、銀河同士の衝突や合体がおきています。実際、銀河同士の衝突は頻繁に起こっており、その現場がたくさん観測されています。hscMapで見られるデータでも、たくさん見つけることができます。銀河がお互いの重力で影響を及ぼしあうと、形が乱れまっすぐな「尾」や曲がった「アーク(弓)」状などの構造が見えます。
国立天文台4次元デジタル宇宙(4D2U)プロジェクトのシミュレーション結果:
(1) 並行な衝突の場合 / (2) 斜め衝突の場合

おたまじゃくし銀河 おたまじゃくし銀河(UGC 10214)
星座 りゅう座  距離 4億光年
赤経 16 h 06 m 03.9 s 赤緯 +55° 25′ 32″(2000年分点)
観測領域 ELAIS-N1

小さな銀河がこの棒渦巻銀河の近くを横切り、銀河同士が重力を及ぼしあったと考えられます。その時におたまじゃくし銀河内の恒星やガス、ちりが引き延ばされ、約28万光年の長さの、おたまじゃくしの尾のような構造が作られました。
衝突する銀河1 衝突銀河1 UGC 12589 & 2MASX J23250382+0001068
星座 うお座  
赤経 23 h 25 m 01.7 s 赤緯 +00° 00′ 01.9″(UGC 12589)
観測領域 DEEP2-3

2つの渦巻銀河がお互いの重力で引き合い、形を乱しあっています。
衝突する銀河2 衝突銀河2 2MASX J16270254+4328340
星座 ヘルクレス座  
赤経 16 h 27 m 02.5 s 赤緯 +43° 28′ 34.1″(2000年分点)
観測領域 HECTOMAP

銀河が合体した後の姿だと考えられます。まわりには、衝突の過程でできたアーク(弓)状の構造が複数見えています。
衝突する銀河3 衝突銀河3 LEDA 2535615 & LEDA 2535506
星座 りゅう座  
赤経 16 h 14 m 53.4 s 赤緯 +56° 24′ 08.8″(LEDA 2535615)
観測領域 ELAIS-N1

2つの渦巻銀河がお互いの重力で引き合っています。ぼんやりとした光が、2つの銀河を取り囲んでいます。
衝突する銀河4 衝突銀河4 NGC 7667
星座 うお座  
赤経 23 h 24 m 22.8 s 赤緯 -00° 06′ 30.2″(2000年分点)
観測領域 DEEP2-3

エビのような形に見える銀河です。
衝突する銀河5 衝突銀河5 UGC 9327 & FIRST J143043.0+001510
星座 おとめ座  
赤経 14 h 30 m 43.0 s 赤緯 +00° 15′ 10.7″(2000年分点)
観測領域 GAMA15H

クラゲのような形に見える銀河です。

銀河団

銀河が互いの重力で引き合い、多数集まった集団を銀河団といいます。数百から数千個の銀河が直径1000万光年程度の範囲に集まっている、比較的大規模な銀河の集団です。それに対して規模が小さく、数十個程度の銀河が直径150万光年程度の範囲に集まっているものを銀河群といいます。私たちが住む天の川銀河(銀河系)は、アンドロメダ銀河や大小マゼラン雲などともに局部銀河群を形成しています。

ペルセウス座銀河団 ペルセウス座銀河団
星座 ペルセウス座  距離 2億3000万光年
赤経 03 h 19 m 47.2 s 赤緯 +41° 30′ 47″(2000年分点)

約500個の銀河が集まっています。銀河団の中心には巨大なブラックホールを持つ銀河 NGC1275があり、強い電波を発しています。

宇宙初期の天体

私たちの宇宙は138億年前に始まったと考えられています。例えば、宇宙誕生から8億年後の天体、つまり130億年前の天体は地球から130億光年という遠い距離にあります。このような天体は、すばる望遠鏡のような大きな鏡(集光力の高い鏡)で遠くからの光を集めることでようやく観測できるようになりました。

ヒミコ ヒミコ
星座 くじら座  距離 130億光年
赤経 02 h 17 m 57.6 s 赤緯 -5° 8′ 44.9″(2000年分点)
観測領域 SXDS

宇宙が8億歳だった時代に存在した、巨大な熱いガスのかたまりです。すばる望遠鏡で発見されました。ひときわ明るく輝く古代の天体であることから、邪馬台国の女王卑弥呼にちなんで名付けられました。
すばる望遠鏡でのヒミコの発見について
アルマ望遠鏡などによるヒミコの観測結果について

注)ヒミコはデフォルトの色のわりあてでは見ることが困難です。SSP色調整ウィンドウで、 狭帯域バンドNB921を赤(R)に、zバンドを緑(G)に、iバンドを青(B)にわりあてて下さい。そうすると、この画像のように、赤色にわりあてた狭帯域バンドで光っているヒミコを見ることができます。


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