重力波プロジェクト推進室長 ラファエレ・フラミニオ博士
重力波
―科学によって天文学を理解し、天文学によって科学を理解する
Gravitational waves: use science to understand the Universe and listen to the Universe to understand science.
2015年11月、岐阜県神岡の地下に建設が進められてきた大型低温重力波望遠鏡KAGRAの第1期実験施設が完成、年度内の試験観測開始を目指しています。電波、赤外線、可視光線、紫外線、X線、ガンマ線、人類はこれまで多波長にわたる電磁波観測を通して世界の理解を深めてきました。そこに、“光”とは異なる新しいチャンネルが加わり、“重力波天文学”の本格的な開始がいよいよ迫ってきました。国立天文台も、TAMA300で開発してきた最新技術を注いで、新しい天文学の道を拓くこの大プロジェクトに取り組んでいます。100年前にアインシュタインが残した一般相対性理論最後の宿題“時空のゆらぎ”の検出に挑む重力波研究の歴史と現在の最前線を、重力波プロジェクト推進室ラファエレ・フラミニオ室長にうかがいます。