用語
周波数資源保護室の活動関連用語
用語 | 意味 |
電波天文業務受信設備指定申請 | 総務省は電波法第56条第1項に基づき、電波天文業務の用に供する受信設備を指定し、これら受信設備の運用が阻害されないよう措置している。指定申請手続きは受信設備を設置している者により行われる。 |
逓倍(ていばい) | 周波数を2倍にすることを2逓倍、3倍にすることを3逓倍という。 |
空間伝送型ワイヤレス電力伝送システム | 離れたところから電磁波を使って機器に給電することができるシステム。 |
空港FODレーダー調査検討会 | FOD(foreign object debris)とは、航空機もしくはその関連システムに損傷を及ぼす可能性のある物品または物質であり、空港FODレーダーとはその物質探知レーダー。調査検討会は総務省に設置されている。 |
スターリンク衛星群 | 地球規模の通信ネットワークサービスを提供する目的でSpaceX社により設計・運用されている衛星群。 |
総務省における情報通信審議会 | 総務省に設置された情報通信に関する審議会。総務省ウェブサイトに議事内容や資料などを掲載している。 |
総務省のパブリックコメント | 国の行政機関が政令や省令等を定めようとする際、事前に広く一般から意見を募り、その意見を考慮することにより行政運営の公正さの確保と透明性の向上を図り、国民の権利利益の保護に役立てることを目的とする行政手続法に基づく意見公募手続き。 |
電波監理審議会 | 総務省に設置された電波監理に関する審議会。総務省ウェブサイトに議事内容や資料などを掲載している。 |
電波天文バンド | 電波天文で使用するバンド(周波数帯)。概ね100MHz ~ 1THz。電波天文学上重要なバンドは電波法により 保護されているが十分ではない。 |
広帯域電力線搬送通信設備(高速PLC) | 電力線を広い周波数の通信回線としても利用する技術設備。広帯域システムで使用する周波数帯は狭帯域電力線通信で使用する周波数帯より雑音レベルが低く、周波数帯域幅も数十倍あるため、高速な通信が容易である。 |
無線周波干渉(RFI) | 無線電波周波(主に2.4GHzと5GHz)のスペクトラム内に外部から発射された電波が交じり電波通信を阻害される、または不安定になること。 |
電波天文関連用語
用語 | 意味 |
アンテナ | 電波を送受信する装置。ラジオやテレビの放送の受信では線状のアンテナが使われるが、センチメートル波より波長が短くなると、パラボラアンテナを使って電波を受信する。 |
宇宙電波 | 天体や宇宙空間からの自然の電波。 |
可視光線 | 電磁波のうち、ヒトの目で見える波長のもの。いわゆる光のことで、可視光ともいう。可視光線に相当する電磁波の波長は下界はおおよそ360-400 nm、上界はおおよそ760-830 nmである。 |
干渉計 | 複数台のアンテナを用いて結合して観測を行うときの電波望遠鏡のこと。地上で単一鏡を建設する場合、その直径には限界があるため、開口面積(アンテナ表面の総面積)や角度分解能に限界を生ずる。干渉計は、有効開口面積がほぼ各望遠鏡の開口面積の和になるため、単一鏡に比べて集光力を向上できる。また、基線長(アンテナ間の距離)を長く取ることができるので、単一鏡に比べて角度分解能を向上できる。 |
銀河系 | 太陽を含む数千億個の星からなる銀河を銀河系と呼ぶ。「天の川銀河」と呼ばれることもある。太陽系は銀河円盤の中に存在しているため、可視光では星間ダストの阻まれて銀河円盤全体を見透すことができない。そのため、赤外線や電波での観測が必要になってくる。 |
雑音 | 電波望遠鏡の受信機が受け取る電波のうち、目的としている天体以外からの電波。地球の大気による雑音、アンテナからの雑音、受信機自体が発生する雑音がある。雑音を低く抑えることが高感度観測のための必須な条件である。 |
紫外線 | 波長 が10- 400nm 、即ち 可視光線より短くX線より長い不可視光線の電磁波。可視光線の紫色の外側という意味で紫外線という。 |
周波数 | 単位時間(1秒)に通り過ぎる電磁波の波の周期の数。単位はヘルツ(Hz)。波長とは次の関係にある:(波長)×(周波数)=(光速度)。光速度は真空中で秒速約30万キロメートルである。 |
周波数分解能 | 天体からの信号を分光したときに、どれだけ近い周波数成分を見分けることができるかという能力。 |
スペクトル | 電磁波の周波数(波長)ごとの強度分布のこと。電磁波を観測する場合,全ての周波数の成分が一体となって受信されるが、分光することによってスペクトルに分解することができる。 |
赤外線 | 赤外線とは、可視光線よりも波長の長い 電磁波。 一般的には700nmから 1,000,000nmの波長 のものを指す。 |
赤方偏移 | 電磁波の波長がドップラー効果により長くなる現象。長波長側(赤い方)にずれるため赤方偏移という。膨張する宇宙では遠方の天体ほど速く遠ざかるため、発する光のスペクトル線が長い方にずれていく。 |
電磁波 | 電界(電場)と磁界(磁場)光が相互に作用して組み合わさり空間を伝わっていく波のこと。波長の長い方から、電波、赤外線、可視光線、紫外線、X線、γ(ガンマ)線がある。物質は温度やエネルギーの状態によって異なる種類の電磁波を出しているため、宇宙に存在する天体や運動を観測する際も特徴に応じた波長の望遠鏡を用いる。 宇宙における低温のガスの分布や運動を観測するには電波望遠鏡、温度の低い天体や遠くの天体を調べるには赤外線望遠鏡、超新星の残骸やブラックホールなどエネルギーの高い物質の観測にはX線望遠鏡が適している。 |
電波 | 電磁波のうち、波長が0.1mmより長い(周波数が3THzより低い)電磁波。 |
電波望遠鏡 | 望遠鏡のうち、電波を受信することを目的につくられたもの。 |
伝搬速度 | 単位時間に媒体(真空、空気・海水などの物体)内を進行する速度。 |
天文単位(AU) | 距離を表す単位で、地球と太陽の間の平均距離を1天文単位(1AU)とする。Astronomical Unit |
野辺山電波へリオグラフ | 国立天文台野辺山に設置された太陽専門の電波望遠鏡。84台のアンテナを使い、直径500mの電波望遠鏡に相当する解像力を実現。太陽表面の活動のタイムスケールは1秒以下のものから10年以上にわたるものまでさまざまだが、最大で毎秒20枚の画像を得ることができる性能を活かし、ビデオカメラのように太陽の活動をモニターしていた。2020年3月31日、運用終了。 |
波長 | 波の1周期分の長さ。周波数とは次の関係にある:(波長)×(周波数)=(光速度)。光速度は真空中で秒速約30万kmである。 |
パラボラアンテナ | アンテナのうち、回転放物面(パラボロイド)を用いて電波を送受信するもの。回転放物面という性質から、平行な波面をほぼ1点に収束する。最近の電波天文学ではほとんどがパラボラアンテナを用いて電波を受信する。ミリ波の観測にはパラボラアンテナが もっとも効率よい形と考えられ、広く一般的に使われている。 |
Hz(ヘルツ) | 国際単位系(SI) における周波数・振動数の単位。 |
小笠原諸島母島の夜空