周波数資源保護室は、電波天文学の研究活動と他の電波利用業務との健全な共存関係を確立すること、光害を可能な限り軽減して美しい星空を維持すること、の2つを目的とした活動を行っています。
電波は私たちの身近な生活の中、様々な場所で利用されています。電波利用を円滑に行うための公的なマネージメント業務・会合の場で、電波天文研究を進めている立場から提言・活動を行っています。
また、国内研究機関が所有する電波天文観測局の諸認可手続き(電波天文業務受信設備指定申請)に関して、必要に応じアドバイス等行っています。
美しい星空は、全ての人々の共有財産です。
交通の安全などのための照明は必要ですが、工夫をすることによって空に漏れる光を減らすことは可能です。
また、多数の人工衛星があたかも人工の星のように見えてしまいますが、衛星事業者との話し合いを通じて少しでも影響を軽減することは可能です。
当ウェブサイトでは、周波数資源保護室の活動報告だけでなく、電波天文学研究の紹介や周波数マネージメントの必要性、また、光害防止活動についてお伝えします。
Global RFI distribution taken by the Forte Satellite (Courtesy by Dr. A. Tzioumis @ CSIRO, Australia)
131 MHzで衛星から測定したRFI(無線周波干渉)の分布図
News
「人工衛星が変える星空」の記事で、平松正顕 周波数資源保護室長が、増える人工衛星への懸念と天文観測への影響についてコメントしています。
朝日新聞GLOBEのウェブサイトにも、特集「光害(ひかりがい)」が掲載されました。
国立天文台「三鷹・星と宇宙の日2024」において、「みんなで守る天文観測環境」のタイトルで、 電波と光の良好な天文観測環境を守る活動について、ポスター展示とスペクトラムアナライザーの実演で解説しました。
Newton7月号に「増える人工衛星 天文観測に支障」(2024年4月26日朝日新聞掲載)が掲載されました。
朝日新聞に「増える人工衛星 天文観測に支障」(2024年4月26日)が掲載されました。 平松正顕 周波数資源保護室長が、増える人工衛星への懸念と、天文観測との共存についてコメントしています。
国際社会経済研究所 (IISE) のnoteに平松正顕 周波数資源保護室長のインタビュー記事「人工衛星の「光害」は、社会に何をもたらすか」が掲載されました。 人工衛星の急増が天文観測や星空へ及ぼす影響や、現在検討されている光害対策等について、国際的な議論も含めて詳しく解説しています。
2024年1月2日〜1月15日に冬の星空観察が実施され、有効データ584件から、天の川が見えやすいと考えられる20等級以上の観測地点や、地域区分ごとの「夜空の明るさ」の等級とその割合を算出した結果が公開されました。
沖縄県国頭村は、村内4つの対象施設について、関係者及び利用者は光害防止に努めなければならない、と定める条例を制定しました。屋外照明管理規則では、屋外照明の設置・運用について配慮すべき事項を定めています。
3月2日放送(再放送3月9日)「スゴいぞすばる望遠鏡!星空のお金のヒミツ」のタイトルで、 夜空で光りながら移動する人工衛星が天文学に与える影響について、国立天文台三鷹キャンパスからコメントしました。
2月7日放送「今そこにある危機SP」のタイトルで「人工衛星が戦争の火種!?」の問題について、 国立天文台三鷹キャンパスの12 cm屈折望遠鏡で木星やオリオン大星雲を撮影した映像を紹介し、そこに写りこむ人工衛星が天文学に与える影響について解説しました。
日本経済新聞の第1面に「夜空の光 1割が人工衛星 - 大手、6.5万基計画 天文学へ「光害」深刻に - 」(2024年1月7日)が掲載されました。 近年急増する人工衛星が夜空へ与える深刻な影響についてお伝えしています。
人間活動が星空に与える影響(光害)とその対策について、また、光害を科学的に解明する目的で開催された「星空環境保護研究会」について、国立天文台ウェブサイトの広報ブログページで解説しています。
広報ブログ
2023年8月7日〜8月20日に実施された星空観察の結果が公開されました。 天の川が見えやすいと考えられる20等級以上の観測地点や、地域区分ごとに「夜空の明るさ」の等級とその割合を有効データから算出して公開しています。
2023.08.21:福井県大野市南六呂師地区が「星空保護区」の認定を取得しました。
福井県大野市の北部に位置する南六呂師(みなみろくろし)地区が「星空保護区」アーバン・ナイトスカイプレイス部門において、アジア初となる認定を取得しました。
星空の世界遺産と言われる「星空保護区」は、暗く美しい夜空を保護するための優れた取り組みに対し、ダークスカイ・インターナショナルが認定するものです。
アーバン・ナイトスカイプレイス部門は、都市近郊に位置し夜間に人工的な光の影響を受ける中でも暗い夜空の保護を推進している地域が対象となります。
>> 福井県大野市「南六呂師」が星空保護区認定
2023.07.19:国立天文台 天文情報センター 大石 雅壽(おおいし まさとし) 前周波数資源保護室長が、令和4年度自然科学研究機構国立天文台長賞を受賞しました。長年に亘る、国内外に於ける周波数資源保護活動が評価されたものです。
大石前室長は、2019年に周波数資源保護室長として着任しましたが、1990年代から継続して周波数資源保護の国際会議に数多く出席し、電波天文に割り当てられた周波数帯域を守り電波天文学の更なる発展のため、国内外で数々の提言を行ってきました。
周波数資源保護活動を強力に推進してきた功績と発言力が高く評価され、今回の受賞に至りました。
授賞式は、2023年7月14日に国立天文台で執り行われました。
2023.06.19:9月3日・4日「星空環境保護研究会2023」を開催します。
光害の測定と、星空環境保護のための基礎研究の推進を目的とした研究会を以下の日程で開催します。プログラム概要及び参加申し込みは下記のウェブサイトをご参照ください。
●日程
2023年9月3日(日) 13:30 - 17:00
2023年9月4日(月) 10:00 - 16:00
●開催場所
国立天文台三鷹キャンパス すばる棟 大セミナー室 (* オンラインでのご参加も可能です。)
●プログラム概要・お申し込み
>> 星空環境保護研究会2023ウェブサイト
2023.06.09:国際天文学連合 (IAU) 国際普及室 (OAO)の Dark and Quiet Skies project (暗く静かな夜空を守るプロジェクト) 企画セミナー「The Cultural Relevance of Dark and Quiet Sky Protection」(暗い夜空の保護における文化的な関連性)が 5月31日に開催され、暗く静かな夜空を保護する必要性と保護活動について平松正顕 周波数資源保護室長が解説しました。セミナー(英語)はYouTubeでご視聴いただけます。(平松室長の解説は前半約30分です。)
>>こちらよりご覧ください。
2023.05.15:G7仙台科学技術大臣会合における成果文書として発出された「G7科学技術大臣の共同声明」において、暗く静かな夜空を保護するため、
衛星コンステレーションが天文観測に与える影響について議論を継続することの重要性が言及されています。
>>「G7科学技術大臣の共同声明」原文(英語)、
仮訳
2023.04.24:日除けを装備したスターリンク衛星VisorSatは、従来のスターリンク衛星に比べて太陽光反射をおよそ半分に低減することが実証されました。 詳しくは、東京大学大学院理学系研究科附属天文学教育研究センターのウェブサイトをご覧ください。 また、この成果はHoriuchi et al. “Multicolor and multi-spot observations of Starlink’s Visorsat”として、 『日本天文学会欧文研究報告』に掲載されました。
しんぶん赤旗「見える星 世界で激減」(2023年2月3日)
毎日新聞「「人工星座」が阻む天体観測」(2023年2月9日)
SpaceX社が提供するStarlink衛星通信サービスは、電波天文業務に電波干渉が起きないように運用することが定められています。
この度、SpaceX社のご厚意により、電波天文観測用受信機への影響を避けるため、干渉防止運用ルール以上の措置として国土地理院石岡測地観測局の周辺地域がサービスエリアから除外されました。
詳細については下記のサイトをご確認ください。
>>Starlinkサービスエリアマップ
朝日新聞社説「夜空に思う 光害抑え豊かな星空を」(2023年1月11日)にて光害が取り上げられ、 光害の影響と防止策についてお伝えしています。
周波数資源保護室のウェブサイトに、電波干渉事例、光害事例のご報告や、電波天文観測環境の保護についてのご意見をお寄せいただくページを設けました。(3月31日までは試験運用)
トップの画像は長野県の野辺山宇宙電波観測所です。
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