太陽系外惑星命名キャンペーン

よくある質問

この文章は、IAU100年記念事業「太陽系外惑星命名キャンペーン」の「FAQs」open_in_newを和訳し、日本で行うキャンペーン用に加筆したものです。

IAU100年記念事業「太陽系外惑星命名キャンペーン」とはどんなものですか?
太陽系外惑星(系外惑星)およびその惑星が周りをめぐる主星の名前を提案するキャンペーンです。提案の機会は各国・地域の単位で与えられます。国際天文学連合(IAU)が創立100年を記念して実施するキャンペーンです。
系外惑星、系外惑星系とは何ですか?
太陽系外惑星(以下、系外惑星)は、太陽系の外にある惑星のことです。系外惑星とその惑星が周りをめぐる主星とで構成されるのが太陽系外惑星系(以下、系外惑星系)です。
系外惑星系の主星は、恒星や、白色矮(わい)星や中性子星といった恒星の残骸です。系外惑星はこの30年のあいだに数千個見つかっています。系外惑星系についてもっと知りたい方は、「IAU100 NameExoWorlds」のウェブサイト open_in_newをご覧ください。
どのような系外惑星系が命名の対象になっていますか?
既知の系外惑星一つとその主星(恒星)から成る系外惑星系です。こうした惑星系には将来、惑星が新たに発見されたり、見過ごされていた主星の伴星(恒星)が見つかったりする可能性があります。命名対象になっている系外惑星は、全て巨大ガス惑星と考えられていて、質量は木星の10パーセントから500パーセントと見積もられています。
このキャンペーンはどのように運営されていますか?
IAUのもと、世界中の国・地域で組織される委員会で運営しています。組織委員会は各国・地域で名前の提案を募集し、審査を行います。
名前を提案するにはどうすればいいですか?
国・地域の組織委員会の募集に応じて、系外惑星とその主星の名前を提案することができます。提案された名前の審査は、各国・地域の組織委員会が実施します。日本の委員会の募集情報の詳細は本サイトをご覧ください。
名前はどこに提案したらいいですか?
必ず各国・地域の組織委員会が決めた募集ルールに従って名前の提案をしてください。IAU本部やIAU執行委員会あてに直接提案を送ることはしないでください。
海外に住んでいても日本のキャンペーンに参加できますか?
可能です。海外に住んでいても日本のキャンペーンサイトから応募できます。日本のキャンペーンに参加する場合は本サイトをご確認ください。また、ほとんどの国・地域がオンラインで応募できるようになっていますので、お住まいの国・地域のキャンペーンに参加することも可能です。
応募方法はインターネットだけでしょうか?
はい。スマートフォンや公衆端末をお使いいただくことも可能ですので、キャンペーンサイトのフォームからご応募ください。
提案する名前の付け方に決まりごとはありますか?
はい。ルールについては応募ガイドでご確認ください。
応募は何回できますか?
応募回数に制限は設けていません。
結果が発表されるのはいつですか?
選考結果は2019年12月にIAUが発表する予定です。
提案が採用されたら事前の連絡や表彰等はありますか?
応募フォームは提案者が特定されない形で受け付けており、結果のいかんにかかわらず提案者への連絡や表彰は行いません。
このキャンペーンは今後も継続されますか?
IAUからの選考結果の発表をもって本キャンペーンは終了します。ただし、今後IAUが今回とは別の天体命名キャンペーンを実施する可能性はあります。
このキャンペーンで選考された名前は公式な名前になるのでしょうか?
はい。IAUが認める公式な名前となります。
このキャンペーンで付けられる名前は、符号に代わるものなのでしょうか?
いいえ。名前はあくまで符号と併行して使われるものであり、符号に取って代わるものではありません。
IAUは「符号(designation)」と「名前(name)」を区別しています。符号は、数字、アルファベット(ラテン文字やときにはギリシャ文字)から成り、頭字語を含むことが多くあります。(例:“HR 6585”,“HD 160691”,“μ Arae=さいだん座ミュー星”)
一方、名前は、固有名詞でありラテンアルファベットを用いて頭文字を大文字でつづり、数字を使いません 。(例:“Cervantes”)
天体のカタログに掲載されている恒星や惑星にはすべて、符号が一つ以上割り当てられていますが、IAUが認定した名前が付けられた恒星は数百個、系外惑星は数十個しかありません。
詳しく知りたい方は、天体の命名に関するIAUのページ open_in_newをご覧ください。
主星(系外惑星がめぐる恒星)は望遠鏡で見ることができるものですか?
はい。命名対象になっている系外惑星系の主星(恒星)は、その国内から小さな望遠鏡を使って見ることができるものが割り当てられています(見られる季節は限られます)。各恒星の位置(座標)と明るさ(等級)は、「Exoplanet Catalog」 open_in_newからご確認ください。
参加国のリストには国連非加盟国の名前もありますが?
IAUは、すべての国連加盟国や国連オブザーバーに限らず、海外領土からの参加を認めており、包括的な立場で本キャンペーンに取り組んでいます。
IAUが定める「系外惑星」の定義はありますか?
系外惑星が発見され始めたのはわずか30年ほど前のことで、その発見のたびに、系外惑星に関する私たちの理解は急速に進んできました。こうした事情から、IAUの「太陽系外惑星に関する作業部会(WGESP)」は、系外惑星の暫定的定義を示す声明文 open_in_newを2003年に発表しました。また現在は、新たな暫定的定義が、まとめられつつあります。ただし、こうした暫定的定義もIAUの中でもまだまだ議論が足りていないのが現状です。本キャンペーンで命名の対象となっている天体は、IAUによる系外惑星の暫定的定義の基準をすべて満たしています。
なお、2006年にIAUが定めた惑星の定義については、当初は太陽系内の天体とほかの恒星をめぐる天体を包括的に説明するべく始められた議論でしたが、天文学者たちが合意にこぎ着けたのは、太陽系内の惑星および準惑星に関する定義だけでした。
2015年のキャンペーンで名前が付けられなかった「うしかい座タウ星系」は、今回の命名キャンペーンの対象になっていますか?
いいえ。2015年には、うしかい座タウ星とその惑星の命名は、将来のキャンペーンに委ねられることになっていました。ところが、この系外惑星系は、今回行われるキャンペーンの対象となる天体の条件を満たしていません。うしかい座タウ星は肉眼で見える星ですが、今回のキャンペーンの対象はもう少し暗い星としています。IAUが今後、うしかい座タウ星系を別の機会の命名キャンペーンの対象とする可能性はあります。